池上彰さん著の「20歳の自分に教えたい宗教のきほん」という書籍を読みましたので、私の感想を記載させていただきます。
まず、こちらの本を読むに至った背景は、もともと日本の経済や仕事を考える中で、仕組みややり方だけでは根本的に解決できないことが多々あると感じており、それを解決する方法のひとつに宗教があるのではないかと思っていた状態があった中で、書店を歩いていた際に、ふとタイトルが目につき、購入に至ったという流れです。
早速内容の感想についてですが、まず一言で、「大変わかりやすい。さすが池上さん」といった次第でした。
宗教の基礎・基本をしっかりと記載されており、改めて問われるとどういうことなんだっけ?ということを丁寧に記載してくれておりました。
本書の内容は大きく次の7つの章に分かれて記載されておりました。「世界三大宗教」「政教分離」「宗教法人とは」「キリスト教」「仏教」「イスラム教」「神道」の7つです。
詳細はぜひ書籍を読んでいただきたく思いますが、まず序章で、日本人が当たり前だと思っている「宗教は余裕があったらやるもの、やりたい人だけがするもの」という感覚が、世界共通ではないんだということに気づかされます。いわれてみれば当たり前のことですが、改めて気づかされるのが導入部分です。
また、「政治と宗教がつながっていることは”悪”」と感じている方、おられるのではないでしょうか?それは世界基準で見たら全くそんなことはないということに次の章で気づかされます。その一例がアメリカの政治であり、今現在も政治と宗教が混ざり合って政治が行われていることがわかります。
私は政治と宗教は絶対に分けなければいけない。政治と宗教が一緒になると誤った政治をしてしまうという感覚がありましたが、冷静に考えたとき、政治と宗教が別であることの方がデメリットがあるのではないだろうか、、、と問いを立ててくれた章でもありました。
また、「宗教法人」という名称をよく耳にはしますが、どのようなものなのかをしっかりと理解できていない自分にも気づかされました。まず、法人とは何か?そのうえで宗教法人とは何か?何を求められており、どのような条件が必要なのか?といったことがしっかりと記載されていたため、基礎の教養が深まったことは間違いありません。
そのうえで、各宗教についての記載をされていました。例えば、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地が同じ理由、そのうえで、各宗教の聖典の違いや関係性や実態。仏教、神道の関係性など、日本にかかわる宗教の基本を学ぶことができました。
最も学びが深かった内容は「神道」について記載している章でした。神社や八百万の神についての歴史の話についても記載がありましたが、最も学ぶが深かったことは神道と政治と天皇の関係についてです。歴史的な背景、特に第二次世界大戦によって日本と宗教の関係性をどうすべきかの議論が日本で行われ、今の形(書籍を読んでいただきたいですが、靖国神社や天皇と神社の関係 など)になったと。
これを知った状態で、今の政治を見ると、女系天皇の賛否、天皇の生前退位について、さらに深めていくと夫婦別姓をどうすべきかといいたようなことについて、軸を持ったうえで議論ができるようになると感じました。
何も知らない状態で、男女別姓は賛成か?、女系天皇に反対か?と問われても、短期的な視点のみでのメリット・デメリットでしか判断ができませんが、本書を読んだ状態で上記のような議論を検討すると、もっと歴史的な背景や意味を分かったうえで深い議論ができるようになると感じました。
基礎としての学びができ、物事を知ったうえで勉強や仕事ができる内容になっていたと思います。若い方にももちろんおすすめですが、社会人にもお勧めできる内容となっていると思います。ただ、仏教や神道を深く魔案でいる方からすると少し物足りない内容に感じるかもしれません、、、私は仏教が好きで、すでに事前の知識があったため、仏教の章については、少し退屈さを感じました。深く学ばれたい方については、別の書籍等で学ばれる方がよいと思われます。
ただ、そうでない方については、宗教の基礎を学ぶことができますし、今の政治で議論されていることをより背景を知って議論することができる。また、あらたにこの分野を深く調べてみたい、ここに興味がわいてきた、というような知識のスタートともなるような書籍と思いましたので、たいへんおすすめの書籍でした。


コメント